8月某日 最後の再会

いよいよヨーロッパ旅行も最終日で疲労の極みであるが、今日はケルンの友人がわざわざ我々に会いに来てくれるとのことなので、眠い目を擦って北駅に向かう。彼女とは3年前、コロナ到来直前の『ベニスに死す』状態のパリで会って以来で、久々の再会となる。ケルンは25度ぐらいだがパリは35度ぐらいになるのでTシャツで来たらしい。私の用事があった2区の調理道具屋の近くまで歩き、朝食がてらカフェで近況報告に花を咲かせる。
そのあとはルロワ・メルランやBHVのブリコラージュを冷やかしたりしながら、我々の住んでいたシテ・デザールの近くまで歩く。なじみのカフェに行こうとしたが、「コーヒーだけならあっちに座ってくれ」とタトゥーだらけの店員に英語であしらわれ、頭に来たので別の店で昼食を取る。
彼女は18時の電車で帰らなければならないので「もうあと3時間だ!」と焦りながら、結局ずっと散歩をし続け、最終的には北駅まで歩いてしまった。
彼女と別れた後は、最後の買い物をして友人宅に帰る。最後の夕食はバスマティライスと、ココ・ド・パンポル(豆)のスープ、ベルガモットとフェンネルの煮物、チュチュカ、きゅうりのヨーグルト和え、クレポネだった。
明日は朝6時には出発しなければならないので、事前に別れの挨拶を告げ、荷物のパッキングの目処だけ立てて床に就く。