おもしろきこともなき世をおもしろく

フランス人がHTML手打ちで作り上げたブリコラージュ丸出しのサイトの改修を相談されたんだが、HTMLファイルが200個以上もあるサーバの中身を見ながら、世の中みんな WordPress 化してしまって(まあこのブログもそうなのだが)面白いサイトが減ったことに気づかされる。テンプレで生産効率上げるために、内容をフォームに押し込めることばかり考えてしまうものなあ。自分が最初に作ったサイトのトップページは「Enter」も何もない、顔の絵のイメージマップだった。確か目をクリックすると入れるんだったな…。いやあ、あの頃の方がホームページを見るのも作るのも楽しかったよ。あの血肉がある感じ、たまんないね。「昨日ホームページ作ったんだけど見てよ」「新しいページ作ったんだけど帰ったら見てみて。ムフフ」とかいう会話が絶滅したもんな。「しょうがねえなあ」って苦笑しながら読んだりして。「ユーザビリティ」なんて言葉、吐き気がするほど嫌いだった。どこかの誰かが突然やってきて「ホームページかくあるべき」なんて官僚的で教育的な価値観を押しつけてきた。そんなの「思いやり」で片付けられるようなものだし、わかりやすさなんて数ある選択肢の一つでしかない。人間、多少使いづらかろうがいずれわかるし、面白い方がいいでしょ。わざわざそんなこと言わなければいけないほどわかりづらいサイトが多かったのは確かだけど(特に役所のホームページとかね!)価値観はそれだけじゃない。情報なんて糞食らえだ。情報デザインなんてもっと糞食らえだ。

世の中に必要なのは Javascript じゃなくてイメージマップだよ!Wordpress じゃなくて IBM ホームページビルダーだよ!たぶん。