8月某日 旅の小休止

起きると外からカウベルの音がする。100mぐらい先にある隣家は酪農家なのだが、そこからしているにしてはやけによく聞こえるな、と思ったら、すぐそばに牝牛が3頭来ていた。顔中ハエにたかられていて鬱陶しそうだ。
皆はミューズリーを食べていたが、私は昨日スーパーで買った出来合いの安クスクスがあったので、一人だけそれを食べる。わざとやっているとしか思えないほどまずく、苦笑いしながら食べていたら、子供が「ちょっとくれ」と言う。「まずいよ」と言いながらあげると喜んでいた。中に入っているコーンが好きらしい。
朝食後、昨日の宴会の片付けをするために車でザンクトガーレンに移動する。女性陣がマルシェまで買い物に行っている間、残ったビールなどを地下の倉庫に運んでいたのだが、エレベーターの室内にドアがなく壁が動くのが丸見えで、触ると挟まれて危険である。聞けば、フリブールには3面ドアがないエレベーターまであるらしい。
昼は裏の畑に置かれたテーブルで食事。昨日のイモの残りでガレット。ふかして一晩置いたイモで作るのが一番いいとのこと。トマトも非常に美味しかった。
夜は庭のきゅうりの入ったパスタ。パスタも4種類ぐらい入っていて、こういう祝祭的なパスタサラダもありかと思う。
何かしようと思っても子供に阻まれるので何もできない。かつては家の主人であった猫たちも、すっかり家に寄りつかなくなった。子供がいるというのは大変なことだ。
今後の旅程についてクリスチャンたちと話すが、彼らはイタリアを自転車旅したことがあるらしく、小都市を見て廻ると良いよ、と助言される。ただ、どの街も面白いと言われるので頭を悩ませる。ギリシャに行くのは諦めたのだが、かといってイタリアでどこに行くべきか。結論の出ないまま就寝する。