YUMEGIWA LAST OJISAN

私は寝言を言わない方だと思っていたのだけれど(なぜなら一度も自分の寝言を聞いたことがないから)、最近夢の中ですごく嫌な人物がいたので「オイ!」って怒ろうとしたらその声で起きた。夢と現実の境目をくぐり抜けた自分の声をはっきりと耳で聞いたのである。頭の中に視知覚というものがあるとしたら、それが夢の中の光景に実際に反応し、身体的な行動を促したということなのだろうか。
私は普段話している現場で即座に感情を表明できないことにジレンマを感じていて、後から怒りや悲しみ(主に前者だが)が込み上げてきて「あの時怒れていれば」(やっぱり前者じゃないか)と思うことも度々なのだが、現実世界でのそのようなコンプレックスが夢の中で現れているのだろうと思う。最近は夢の中で号泣することもあり、そこでは枕が腐るほど泣いていて「よかった、泣けた」と喜んでいる自分がいるのだけれど、果たして本当に寝ながら涙を流しているのかどうかはまだ確認できていない。少なくとも枕は腐っていないから号泣しているわけではないようだ。