夏に書いた記事

インスタントに身につけた知識はやはりインスタントにしか役に立たないな、と思う昨今。DeepLに突っ込んだ訳文がいかに本物に近かったとしても、自分の頭を使って訳した訳文の方が、たとえ間違っていたとしても価値があると思う。偽物の文章とか、偽物の絵にこのまま慣れていったとしたら、偽物の裁判とか偽物の政治にも慣れていって、偽物の処刑が待っている。
それにしても、一昔前の「面倒臭いことはコンピュータにやらせて、人間はもっと高度な仕事を」というスローガンはどこかに行ってしまい、人間は怠けてコンピュータに仕事を譲って頭を使うことをやめた。自分で自分の地獄を作り出しているだけなのに。
「情報化時代」という言葉が正しいとしたら、外から来る情報ばかりに頼りすぎて自分の頭で考えない時代のことだろう。自分が考えるよりも前に知識がやってきてしまい、それの答え合わせしかしない。少なくとも美術関係者がそれをやってしまったらおしまいである。