12/26-27

12/26(土)
昼間、作業したり、ノートを買いに行ったり。なんでこんなことがイベント化されなきゃあかんのだ、と思うがもう慣れた。そういうものなのだろう。しかしこの品質でこの値段はやはり解せない。
夕方スイスの友人Sの家で軽く飲んだりアコーディオンで民衆音楽の演奏を聞いた後、フラ語の先生Bのお宅に生徒一同招かれて食事。胡瓜から作った氷をわさびと一緒にビーツのスープに入れて食べたり、異常にうまいトマトの煮込みをいただいたり、もうお腹いっぱいだけどメレンゲのケーキが出てきたり。楽しい夜だった。フランス語の面白い語彙表現をもじって冗談を言っていたら、「アキオのフランス語はひどいわ!」と言われる。
シャンゼリゼの乗り換えを逃し、バスに乗ろうとするもクラクションを鳴らしながらタクシーが群をなしてやってきて、どうやらデモのようだし、なんとか到着したバスは満員だし、諦めて歩こうかとしたところでデモは終わり、そこにやってきたタクシーに乗って帰る。運ちゃんに「デモだったのあれは?」と聞くも、「ん?なんのこと?」と言われる。知らない人は知らないのね。

12/27(日)
夜、シネマテークまでダグラス・サーク『天が許し給うすべて』(フィルム)、フォード『静かなる男』(デジタル修復版)を見にいく。2本とも結婚したいけど家族が許さなくてすったもんだする話。これに小津を加えてくれればよかったのにと思いつつ、年末のひと時を堪能。フランスの観客はサークを見てるときに結構噴き出したり失笑する。登場人物がいかにもな反応をしたり、かなり強烈な皮肉を言ったり、もうほとんどわざとらしいとしか言えないようなタイミングで動物が登場したりするからだ。サークは登場人物を愛してはいるもののかなり突き放していて、実は誰にも感情移入なんかできない作りになっている。
そしてフォード。恋に落ちるには視線を合わせれば良い。ドアは蹴破るもの。タバコは投げ捨てるもの。ベッドは壊すもの。結婚してひと段落かと思いきや、強引な解決法が通じないアイルランドの町では二転三転。オハラを町中引きずり回し、兄貴と殴り合ってビール飲まないと終わらない。それで兄貴にも嫁が来て……という優しさ。それにしてもバリー・フィッツジェラルドの素晴らしいこと。叶うことならフィルムで見たかった。帰ってついビールを飲む。