20220326

遅くまで飲んだ夜の帰り際、妻より青山真治氏の訃報。しばし絶句。お会いしたこともお話ししたこともなかったが、氏の映画から、あるいは書かれたものから学んだことは計り知れず、特にまだブログというものが有力な文字メディアだった2000年代後半の氏の日記には、新作が撮れないまま酔って醒めては映画を見、また酔って醒めては映画を見るアルコホリックな日常が赤裸々に綴られており、まだ何者でもなかった私に日々の生きる力を与えていたと思う。『サッド ヴァケイション』を新宿武蔵野館で見た時のことも、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『こおろぎ』『ユリイカ』を爆音映画祭で見た時のことも、鮮明に思い出せる。マイケル・チミノについて教えてくれたのも氏の文章だった。また新作を撮ってくれると信じて疑わなかった。ショックというほかない。人の死というものは消化すべきものなのだろうか。私には喉につっかえて飲み込むことができない。