8/28 ミューレン

交通費が高いし諦めようと思ってたがスイスまで来といて山を見ずに帰っては男がすたる、というわけではないが「ユングフラウ」や「アイガー」と聞いては心穏やかではないし、妻の強い希望もあったので今日1日をアルプス見学に充てていた。スイストラベルパスを駆使し、風景に見とれたり驚いたりしながらバーゼル→ベルン→インターラーケンと移動してケーブルカーや登山電車を乗り継いでミューレンという名の集落まで行くここからはアイガー、メンヒ、ユングフラウヨッホの3峰がよく見え、眼前にあの『アイガー・サンクション』の(私の場合トレヴェニアンより以前にイーストウッドなのだが)、そして19世紀の地理学者が描いたアルプスの山々が、表象に負けず劣らんばかりの生々しさで聳え立っていることに、信じられないという気持ちを抑えずにはいられない。財布のことで頭が痛いが来ておいてよかった。

夜はベルンに戻り、ホテルにチェックイン。スイス最終夜なので財布に残ったスイスフランで贅沢しようとするが、結局1人1本ずつのケバブとカップラーメンしか買えなかった(しかし気持ち的には「わあ、なんて贅沢なんでしょう」といった体)。それでも一瞬で数千円が吹っ飛ぶ様はもうヤケになるしかないというか、一抹の清々しさすら覚える。