5/9-12 OFII

5/9
午前中、マルシェ。
午後、コルビュジエのラ・ロシュ邸(Maison La Roche)とナンジュセール・エ・コリ通りのスタジオ・アパート(Appartment-Atelier)へ。前回来た時はスタジオ・アパートは中に入れなかったのか、曜日が悪かったかわからないが、今回初めて入れた(少なくともラ・ロシュ邸とのセット券なんてなかったと思う)。今回パリ各地を訪問していて思うが、10年ほど前に比べて情報へのアクセスが格段に良くなっており、ネット上で藁をもつかむ思いで情報を探していた時とは比べ物にならないぐらい、あっけなくマニアックな場所に入れたりする。そもそも当時スマホなんかなかったし、海外でマップアプリなんて使えるわけはなかったから、今思えばそれなりに鍛えられたと思うけれど、もはやそんなサバイバル力要らないのねえ。
ところで初めて入れたスタジオ・アパートはとても良かった。マンションであってもこんな家に住めたら何も文句はない(どこかに行く度思っているが)。

5/10
終日作業。

5/11
いよいよ移民局(OFII)へ行って滞在許可証(Carte de Séjour)をもらう為の手続きをする日。それにしても3日前にいきなりメールで呼び出すとは随分急だ。通るまでろくに予定も立てられない。
9時に来いと書いてあるので8時20分頃から並ぶが8時30分頃に中に入れられ、健康診断が始まる。移民局の悪口は人伝に色々聞いていたしネット上でも散見されるが健康診断のスタッフは割と親切で、冗談混じりに説明してくれる。身長、体重、視力検査(アルファベを読み上げる方式なのね)、レントゲン、問診と予防注射歴(Google翻訳で問診内容を日本語に翻訳した画面を見せられるのには笑った)などを済ませ、なんだ、意外とスムーズに行くのか?と思いきや、最後の発行手続きの審査でつまづく。「領収書はないのか?電話か、ガスか、電気の領収書だ。聞こえたのか?領収書!」と言われるが、こちとら大学が全部持ってくれてるのでそんなものは存在しない。携帯のSIMカードのレシートぐらいしか無いが、そんなものきっとダメだろう。とりあえずまた来ると伝え、腹を立てながら帰る。
レジデンスに帰って秘書課のマダム・Dに伝えようと思うが、ずっと電話で喧嘩気味に話している。この人に話すのが一番手っ取り早いのだが、しょうがなく隣のスタッフに「領収書が要るって言われた」と伝えると、「経理に行って発行してもらって」と言われ、経理に行くが「あなたは何も払ってないから発行できない。もう一回秘書課に行って、責任者のマダム・Dに聞いて。彼女しかダメ。」と言われる。わかったと言って再び秘書課に行くと、責任者のマダム・Dは依然電話で口論中。しょうがなくスタッフに伝えると「どの経理が言ったの?」と聞かれ、電話をかけて口論が始まる。数分後、結局領収書の発行はできないと言われ、「レセプションで居住証明書(Certificat de Domicile)を発行してもらってそれで試してみて!」と言われる。それでいけるのかわからないので責任者のマダム・Dに確認したいのだけど、とりあえず発行してもらおうと思ってレセプションに行く。そうしたら「じゃあ午後に来て」と言われる。まあ焦っても仕方ないので部屋に戻って15時頃行ってみると「16時に来い」と言われる。偶然会った声楽のMさんと犬の散歩に行ってから16時にまた行くと「17時に来い。マダム・Dは忙しいのよ」と言われる。この時点で今日のOFII再アタックは無くなったので、しょうがないなと諦め、18時半にまた行ってみると「明日来い」と言われる。なんでプリントアウトしてサインするだけなのにそんなに時間がかかるのか。怒りたいところだけど、この国でそんなことにいちいち怒っていたら血管が何本あっても足りないので、やれやれと思いながら今日のところは酒でも飲むことにする。

5/12
本来ならフランス語教室に行くべき日なのだが、今日は無理。朝からシーツ交換、洗濯をしてレセプションに居住証明書ができたか聞きに行く。するとようやくできたみたいで、OFIIの昼休み前に間に合うように再アタックする。OFIIに入ってみると閑散として、スタッフがいるべき場所に誰もいない。健康診断のところにいたスタッフに聞いてみると「もう昼飯に行っちゃったよ。1時30分まで待って」と言われる。医者でもないし公共機関にしては昼休み長すぎないか?と訝しみながら隣のカフェで1時間半潰す。言われた通り1時30分に行ってみると既に長蛇の列で、15分ぐらい待って中に入れる。昨日却下されたところで「不足書類を持ってきた」と言うと15分ほど待たされ、居住証明書見せるが「あなたの出した住所と証明書の住所が違うわ!」と言われる。見てみると確かに違う。その原因は僕の住んでる建物がレジデンスの別館で、レジデンスのスタッフがなぜか要らない気を利かせてくれてそっちの住所にしてくれたらしい。そんな住所今まで一回も言われたことも使ったこともないのに、なんでそんな住所を書いたのか……。それでもう一回レジデンスに帰って「この住所で書いて!」と言うとすぐ発行してくれた。やろうと思えばすぐ発行できるんじゃん……。三たびOFIIに向かい、1時間ほど待たされた後、ついに滞在許可証のシールが貼られた。
それにしてもこんなこと、うちの大学の歴代の受賞者の人たちが引継ぎやってくれればもっとスムーズに行くのだろうけど、そういう概念が無いのだろうか……。
何はともあれ、これで気楽に旅行にも行けるようになった。パリでの生活がようやく始まった気がする。

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