日記

1/12
世の中は成人式らしいが、そんなことは関係なく伏見ミリオン座にてリチャード・リンクレイター監督『6才のボクが大人になるまで。』。感想は既に書いたが、痴話喧嘩とかボーイズトークの類に頼り切るのではなくて、もう少し映画というものを信じていいのではないか、と思う。映画と人生は違う。
帰宅してニコラス・レイ監督『女の秘密』。この撮影、美術、脚本、90分以内。1カットごとに瞠目させられ、60年以上前に人類がここまで到達していることに呆然とする。ルビッチの分身のような存在であるメルヴィン・ダグラスがここでもプレイボーイ役にハマってみせる。発砲から始まるのに誰も死なずにハッピーエンド、という優しさが滲み出る作品だった。

1/13-14
パリ行きのビザ申込要領を読み込み、外資系の銀行の口座開設を申し込み、航空券と旅行保険を取ってたら丸2日も経ってしまった。外国人が1年間滞在するということは思ったより大変だということを痛感する。
夕方出かけようと思ったらテレビで『ミスティック・リバー』が始まってしまい、最初の数分だけ、と思いながら結局通しで見てしまった。この作品のイーストウッドは原作があるとはいえ冴えに冴えまくっている。最初の男児誘拐から最後の不気味な宙吊りに至るまで「完璧」とつぶやきたくなる手際の良さだ。思えばこの人は児童誘拐に何か個人的な思い入れでもあるのだろうか。初めて見たときよりも段々凄さがわかってくる陰惨な作品。密林にて思わず原作を購入。

1/15
週末に迫ったプログラミング講座の内容が具体化しないことに焦りつつも競馬場に行く、という夢を見るが、一向にメインスタンドに辿り着かず、途中犬や犬人間(H. R. ギーガー風)だらけの道を通らなければならず断念するという悪夢だった。実家に帰ってからこのかた、夢の登場人物が旧友や名古屋在住の人たちが多く、先日はF岡女史の家をみんなで掃除する夢を見た。住んでいる場所によって意識の中にある人物の重み付けが推移するのだろう。妙な郷愁がある。
ビザのための動機書を書き始めるが全く進まない。大して文例も無い。どうしたものか。ひたすらメールを返していたら日が暮れた。

1/16-17
上京し、打ち合わせ、散髪などを済ませながら、終日プログラミング講座のことを考える。今年は自分のことで精一杯で卒制展に行けそうにない。講座とかぶっちゃったからしょうがない。

1/18
昼間、旧友の韓国女子2人と再会。
そのまま大崎のDAISOにて興奮しながら材料を買い込み、プログラミング講座へ。新シリーズ「プログラミング言語をつくろう」として、トランプ、サイコロ、ヒエログリフ、カラーモール、カラーチェーン、おはじき、ビニールひものどれかを使って計算可能な言語をつくる、という実験を行った。ここのところ、難解プログラミング言語やヒルベルトの「点、線、面を『テーブル、椅子、ビールコップ』と置き換えても幾何学が成立する」というような発言の意味をずっと考えているのだけど、とりあえず難しいことをすっとばして作ってもらった言語は、どれも最高だったなあ。次なる課題が見えた。思えばこの疑問はソシュールの言語記号学やノイラートの研究の頃からつながっているのだなあ。
どうでもいいが、DAISOって「ダイソー(→)」じゃなくて「ザ・ダイ(↑)ソー(↓)」なのね。

1/19
名古屋に戻る。移動中というのは考えを整理するのにちょうどいい。