籐の椅子

全然映画に行けてないが、ステイサム先生の『バトルフロント』、ホンさんスーさんの『ヘウォンの恋愛日記』、ホウ先生の『童年往事』は見に行った。

『童年往事』はおばあちゃん子の私にとって、祖母のことを思い出させる数少ない映画で、僕はこんなに祖母と出かけることはなかったけれど、もっと遊んでればなあ、と見るたびに思う。うちにもムギュムギュ言う籐の椅子があった気がするけど、あれはどこだったか。大画面で見るとロケシーンにかける情熱がはっきりわかる。最初におばあちゃんが孫を捜して町を歩き回るシーンから、何人ものスタッフがあちこちで指示を出しているのだろうなと想像され、その人物配置とキャメラ位置、遠近感が素晴らしい。孫とかき氷のようなものを食べながら祖母が台湾と大陸を混同し始めるシーンでもわざわざ後ろに列車を走らせるところがとんでもない(その後犬まで線路を横切ろうとする)。キャメラはリー・ピンビン先生との初タッグ。さりげなくも過激。この頃からフィルムがある限りいつまででも撮り続けられるような撮り方を手に入れていたのだな。
そういえば上映前、ロビーにこのおばあさんそっくりの女性がいらっしゃって、びっくりした。幽霊ではあるまいな。

あ、『バトルフロント』はロン毛のステイサム先生が見れるのでお薦めです。いつもイサム先生頼りの映画ばかりに出ていた先生が、他の誰かでもいいような映画に出ながら、徐々にイサム先生の映画になっていくところが良かったです。でもちょっと脚本の脇が甘かったかなあ。