『ファントム・オブ・パラダイス』

まるでキンクスのコンセプト・アルバムみたいにキッチュな登場人物たちに、贋物であることを自虐するわけでも隠蔽するでもないカメラワークと編集で、つなぎ間違いじゃないかと思うようなシーンも散見されて、何が何だかわからない中でポール・ウィリアムスの曲がひたすらに鳴りつづける爆音『ファントム・オブ・パラダイス』。このテンポの速さはとても良いなと思ったけれども、最後辻褄が合わなかったり端折りすぎてたりでその辺は残念。ライブシーンとか多分監督が思ってるよりうまくいってないんだけど、ひたすら画面に出続けるかなり間抜けな「怪人」が実は本当の「ファントム」じゃないって展開までは面白かったな。でも『オペラ座の怪人』の話を詳しく知らないので、その辺のもじりはよくわからないけれども。このジェシカ・ハーパーはとってもハマり役(唄うとき変な動き)で、映画内の観客と同じで思わず恋しちゃうのだけど、今や64歳なのねえ…….。
しかしなんで平日夕方のデパルマが超満員なのか、次の『ゼイリブ』とセットで来てるとしても不可思議。