『Seventh Code』

黒沢清監督、前田敦子主演、というか彼女の為の企画『Seventh Code』を爆音映画祭にて。冒頭の数ショットを見ただけで、『リアル』同様その嘘くささから話に裏があることはすぐにわかるのだが、むしろこの映画の本領は話が終わってからで(いやそれまでも充分に禍々しく胡散臭いのだけれど)、「アキコ」ではなく歌手としての「前田敦子」が画面に現れて歌を唄い始めるところから「なんだこれ」感が急増し、最後のショットに至るまで「なんだこれ」の連続。呆気にとられて終了した。日本映画で見たことのないような格闘シーンや、わけがわからないけれど美しいカーテンだらけの大広間も素晴らしかった。前田さんのたどたどしい喋り方もうまいこと編集がつないでいて、演技の下手さなんかが問題になるのはやっぱりスタッフのせいなんだよな、と思う。袋詰にされて捨てられる所の廃墟ショットが素晴らしい。
これでついに秋元康商品に手を染めてしまったことになるのか。