4/30 ポツダム広場とブリュッケ美術館

ベルリンも5日目。ポツダム広場を中心に博物館を回る。
最初は版画・素描美術館(kupferstichkabinett)。見た目的にはモロに町田国際版画美術館。版画による「アルカディア―紙上の楽園」の展示。例によって1914年100周年の企画で、黄金時代の終焉というつながりだが話は15世紀から17世紀イタリア。アダムとイブ、ダンテの神曲、タイムレス=楽園。昨年はシンケル展があり、数年前にはA. v. フンボルトに関係した絵画展があったらしい。見たかったなあ。しかし展示は想像以上にこじんまりで、早めに見終わってしまう。
隣の建物の「絵画館 gemäldegalerie」は中世キリスト教美術から始まってホルバイン、デューラー、クラナッハ、ファン・アイク、ルーベンス、レンブラント、フェルメール、地獄ブリューゲルと花ブリューゲル、ヤン・ステーン、パニーニ、ボッティチェリ、あまり馴染みが無いが良かったものにアーニョロ・ブロンズィーノ、シャルル・メラン、カナレットなど。だんだん麻痺してくるがこういう錚々たる顔ぶれの作品を比べながら見られる機会はこちらに来ないかぎりは訪れない。フェルメールだけをとってみても、誰の頭にも邪魔されず独り占めして見られるなんて日本ではありえないからなあ。ヨーロッパの人々はone of themとして見てるのに、日本だとスターとしてしか見られない。別に洋行帰り気取るわけではないけど、フェルメール展とかレンブラント展を上野の人ごみで見るのは馬鹿馬鹿しくて行ってられない。
食堂で昼食をとってたら数年前のピラネージ展のポスターに目が行く。これも見たかった!

昼食後、ゲオルグ・グロッス目当てで隣のノイエ・ナショナルギャラリー(設計はミース)に行ってみたら、企画展なのか現代アートしか置いてなくて、見られず。田名網敬一、ピピロッティ・リスト、ヨゼフ・ボイスの映像、ブルース・ナウマンのいつものネオンなど。ジェフ・クーンズは蛍光灯の上に掃除機が乗ってた。グロッス見せてー(わがまま)。しかし展示空間のほとんどが地下に埋まってるって凄いな。

昨日12時間寝まくったおかげで妙に元気なので、残りの時間でブリュッケ美術館に行くことにする。博物館島でもポツダム広場でもなく先日の植物園に近い辺りにある(ここはダーレムと言ってよいのかな)。Podbielskiallee駅で降りて、公園の中なのか宅地なのかわからないが立派な邸宅が立ち並ぶ森の中を30分近く歩いてようやく美術館に辿り着く。展示室も割とこじんまりとしていて、気分的には清里のギャラリー。この美術館が出来た経緯を知らないのだが、ブリュッケの中でもキルヒナーの企画展をやっていて、特に初期の油絵と第一次大戦前の木版画が中心。ノルデやペヒシュタイン、シュミット=ロットルフの作品も数点あったが、ブリュッケの中でもこういう人物プロパーの展示はその人の人生が見えて良い。

ドイツでのディナーも最後なので、あまりいい目に遭わなかったドイツの食事の中では唯一おいしかった自家製ビールというやつがもう一回飲みたかったのだけれど、当該のレストランには行けそうにない。しょうがないのでソニー・センターの広場の店で飲むが、これも結構おいしかった(食事は△)。シネフィル的にはキネマテークの横にある「ビリー・ワイルダーズ」という店も気になったのだけれど。映画館ではブレッソンがかかっていた。

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ブロンズィーノ