4/3 寮に到着

飛行機の便がどうしても遅くなるため前乗りしてホテルに泊まっていたわけだが、この日朝から地下鉄で移動するも、4番線は途中数駅が工事中で動かない。しょうがなく寮まで2駅ほど荷物を引きずり歩くことに。何時から受付しているかわからなかったが10時前に着いたら空いていたので一安心。簡単な入寮の受付を済ませたら「部屋の準備がまだなのであと1時間遊んできて」とのこと。とてもノリの良い受付の兄ちゃんにパン屋、スーパー、カフェに加えて電器屋の場所を教えてもらい、散歩がてらスマホを見に行く。2年契約なら結構安いのだが、1年しか滞在しないとなるとかなり高額になりそう。別にiPhoneに拘らなきゃいいのだが、帰っても使えるしなあ、と思うとやっぱりiPhoneになる。まあ要らないと言えば要らないのでとりあえず保留することに。

寮に戻って「終わった?」と聞くと担当に電話してくれ「あと10分だって」と言われたのでその通り待つが、待ったら「あと30分だって」と言われ、「増えとるやないかい!」と思いつつどうせ暇なので待つ。そうするとようやく担当の人が来て案内してくれるが、携帯でずっと誰かと話していて、門の前で長話。だったら電話終わってからでいいのに……。と思うがこの辺がやっぱりフランス的なのだろうか。気長というか何というか。

案内された私の部屋はとても綺麗に使われているが、油絵の具のような匂いが染み付いている。なんだか大学に戻ったようで懐かしい。だいいち風呂とトイレが専用なのが嬉しい。こんな観光地のど真ん中で、これだけ待遇が良いレジデンスなんて、他にあるのだろうか。さすがパリ市が作っただけある。WiFiがひどいと聞いていたが、外部のWiFiに変わったからかとても快適である。荷物を解いてああだこうだしていると色々なものが必要なことがわかり、大きめのスーパーまで買い出しに行く。持てないほど買い込んで寮に帰る、というのを3回ほど繰り返してようやく生活できるようになった感じ。タオルやら包丁やら洗剤やらトイレットペーパーやらを買っていたら2万ぐらいかかってしまった。勿体ないのでできるだけ持ち帰るようにしよう。

さすがに今日は料理する余裕がないし、食材や調味料を揃えるところまで頭が回らないので、買って来たビールとパスタサラダで乾杯。まだ色々なものが足りない。

4月2日 名古屋からパリへ。

4月2日早朝、名古屋からソウル経由でパリに向かう。ソウル仁川空港では奥さんとの記念撮影を頼まれたきっかけで韓国のおじさんと日本語での会話となったが、終始安倍ちゃんと右傾化ジャパンの批判を聞かされて、それには激しく同意するんだが「そうですね」以外になんとも答えようがなく、返答に困った。韓国ではみんな安倍ちゃん見ながら笑ってるとのこと。

ナッツでリターンした大韓航空だが、機種が新しいのか座席に付いてる諸々のシステムは凄くしっかりしていて、全く不便を感じなかった。パンが不味いのはなんともならんが、途中で出たピビンパはちょっと感動するぐらいうまかった。ただ単に飛行機で米とごま油とコチュジャンの和え物が食べられると思っていなかっただけなのだが、密かに興奮する日本人がここにあり。わかめスープも付いていて、毎食これでいいよ、と思う。

システムが凄いからといって、これといって見たい映画があるわけではなく、唯一PTAによるピンチョン映画化『インヒアレント・ヴァイス』が入っていたがこれは映画館で見るしかないと思っていたのでスルーし、『ベイマックス』『セッション』『るろうに剣心:伝説の最期編』の3本を見た。『ベイマックス』はストーリーこそありがちなものだが(身内がマッド化して大ボスにというのは少なくとも最近で『ウルヴァリン侍』『タートルズ』で見たぞ)、ぷよぷよロボットの質感をセリフなしでゆっくりと見せて笑いにつなげるところには感心した。映画館で予告を見ていた『セッション』はとても変な映画だった。青春時代にハマっていた『るろ剣』は、美術や殺陣など新しいことをやろうとしているなと感心したものの、いちいち「うぁあ」とか「うぉお」とか叫んで五月蝿いなと思ったのと、演出を誤魔化すためかもしれないが壮大な音楽を無意味に流すのは勘弁してほしかった。お前はダークナイトか。個人的には原作最大のクライマックスは最後の志々雄との戦いよりも奥義伝授のシーンだと思うのだが(そのあとの追憶編は尻すぼみ甚だしい)、「死んでも奥義を会得して志々雄を倒したい」と懇願し、無行の位で師匠に対峙する弟子・剣心に対し、師匠・比古清十郎から「だからお前は馬鹿弟子なのだ」と言われ続け、「だったら師匠である俺がここで殺してやる」と死が迫った状況に陥ったことで「俺はまだ死ねない」という生への強い意志へと変化することが奥義の会得へと繋がった、というところがミソなのだが、そこが映画では非常に雑に描かれていて、正確には覚えていないが「死んでも斃す、死んでも斃す、俺はまだ死ねない!」と処理されるのは馬鹿かと思った。結局お前はるろ剣を理解していない。個人的に比古清十郎役の福山雅治と斎藤一役の江口洋介はよかったと思う。最後の伊藤博文による「侍たちに敬礼!」は「えっこれで映画終わらすの?」というのがみんなの顔に現れていて笑った。

思わず『るろ剣』について長々と書いてしまったが、20時頃北駅近くの宿に到着。向かいのスーパーの前で明け方4時までダンスの練習をしている黒人女子4人を恨みながら寝起きを繰り返した。

Exif_JPEG_PICTURE手前左から米、ビビンバの具、わかめスープと焼きコチュジャンです。

 

渡航直前

ここ一週間ですること:
・確定申告
・海外転出届の提出
・国民健康保険の抹消
・国民年金の停止
・納税管理人の届け出
・国民健康保険の口座振替の停止届け出
・国民健康保険証の返却
・国民健康保険料の清算
・運転免許の更新期間前更新
・イーモバイルの解約
・携帯の休止
・銀行への国内送金先登録
・各種クレジットカードの引き落とし口座変更
・皮膚科
・胃腸科内科
・歯医者

もう住所とか要らん……。

シェフ

『アイアンマン』がそんなに出来が良かったわけではないし、『カウボーイ vs エイリアン』もちょっと荒唐無稽に過ぎたジョン・ファヴローの『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』が思いのほか良作だった。主演ジョン・ファヴローの軽口デブっぷりは言うまでもなく、愛人スカーレット・ヨハンソン、 元嫁の元夫ロバート・ダウニー・Jr、レストラン・オーナーがダスティン・ホフマンという面々は確かにこの映画を支えているが、これは誰がなんと言おうとジョン・レグイザモ萌え萌え映画であり、レグイザモが出てる映画にハズレなし、というレグイザモ仮説を着想させるぐらい徹頭徹尾レグイザモ映画なのである。実際、レグイザモが出てきた瞬間に映画が活気づくのだから、もっとレグイザモを出せ!ファヴロー、お前がいいやつなのはわかったからレグイザモを出せ!と言いたくなる。

映画館から出た時、ここがアメリカ大陸ではなく、すぐ近くにソウルフード屋台が無いことを呪い殺したくなる映画である。我らがソウルフードとはいえ味噌串カツを食っても満たされなさそうなので、インド料理屋に駆け込んだ次第。おいしいは正義。

恐怖分子

恐怖分子!恐怖分子!恐怖分子!

白昼堂々、『恐怖分子』を見られる悦び。『ヤンヤン』を除くほとんどの作品が瞳の前から奪われている嘆息とともに、我々の瞳の前に再び現れたこの鮮烈なフィルムに何度も胸を撃ち抜かれることができるなんて、特権以外の何物でもない。

それにしてもタートルズは酷かったな……。亀以外、雑すぎ。「今日の晩飯は亀のスープだ」で爆笑したのだけど周りは全く笑っておらず、思わず押し殺してしまった。ああ、ファミコンのタートルズやりたい……。

講座納め

automationのライブとプログラミング講座が終わり、ようやく出発前のヘビーな考え事案件が終わる。何も思いつかなくて夜中に断続的に寝たり起きたりするのはもうやめたい……。皆さんに送別、激励されるのだけれど、本人はいまだ実感なし。何が必要なのかピンとこないので服ぐらいしか持っていかないと思うのだけど、パリの先輩であるM澤君の「クリアファイル持ってったほうがいいですよ!」という助言だけはしっかり遂行する準備がある。確かに文房具が欲しくなった時に困る印象はある。前回シャープペンが欲しかっただけなのに、相当歩き回った挙句、0.7 mmという異常な太さのものしか売っておらず、日本の3倍ぐらいの値段がした。背に腹はかえられぬというやつで買ってしまったが、私の探し方も悪いとはいえ日本は文房具大国なんだということを実感した。ちなみにそのペンは意外と気に入ってしまい、いまだに使っている。ただの貧乏性という話もあるが。考えてみれば私のカバンに入ってる文房具は、クリップ部の壊れたボールペンだとか、一色出ない四色ボールペンだとか、ひどいものばっかりだな。

あとはWEBが3件とアプリ2件と入稿1件仕上げて行くだけ……ん?

エレクトロニクス制作講座・プログラミング講座・共同企画

今週日曜ですが、渡仏前最後のプログラミング講座があります。
最後はエレクトロニクス制作講座の鈴木師匠と合同イベントで、鈴木さんはマイコン講座の続きをやるそうですが、私は「プログラミング言語をつくろう」シリーズの続きをやることになります。時間が早いのでお間違えなく。

3/15(日)
エレクトロニクス制作講座・プログラミング講座・共同企画
16:00〜20:00
ドリンク代のみ
@大崎l-e

The Course of Electronics vol.48  講師:鈴木學
講義内容(contents)
電子回路とプログラミングの狭間
The boundary between electronic circuit and program for computer

プログラミング講座 pro·gram  講師: 大田暁雄
「プログラミング言語をつくろう その3」
※講師の私用のため、2015年4月から2016年3月まで、このプログラミング講座はお休みになります。

春でぇむん

私事のバタバタがひと段落。気づけば渡仏まであとひと月となり、少し気が張ってきたが仏語は依然初心者レベルで如何ともしがたし。1年半前に渡独した友人が、出発前日本の雑事に疎かになっていた気分がわかる気がするが、そうとも言っていられない予定が山積み也。

ビザ取得可否の通知が届かないなあと思っていて、いつぐらいに来るのか改めて検索して調べてみたら、通知なんかそもそも来ないことが判明。専用のWebページで確認するそうな(そんなこと少しも言われなかった)。で、ドキドキしながら確認してみると、
「あなたの申請に関する決定は下されました。もしまだ通知が来ていない場合はフランス大使館まで来るよろし。」
との表示。取れたか取れてないか教えてくれんのかい!緊張しながら上京して大使館まで行くと、警備員に渡されたパスポートにはビザのシールが(かっこいい!)。申請準備から約2ヶ月、やっと溜飲が下がった。もうあとは仕事と身の回りの諸事を終わらせてパッキングさえすれば行けるはず。たった一年いるだけなのに思ったより海外に滞在するということは大変だ。


もはや明日になってしまいましたが、このようなイベントが。

2015/03/08
information vs automation
19:00/open 19:30/start
¥1500+1drink
@大崎 l-e

プリント

information:
坂本拓也(keyboard, 作図)
小林寿代(bass)
平野敏久(electric percussion)

automation:
大田暁雄(computer)
鈴木學(electronics)

最初にスイッチを押したら後は自動、というコンセプトのバンドです(大田)。

大田暁雄さんと鈴木學さんの自動演奏装置とinformationとの同時演奏。informationは慣れないことをやる仕掛けを考えてます。自分のやることでいっぱいいっぱいで合わせる余裕のない感じでいきます(坂本)。

坂本さんたちの図形楽譜解読バンド「information」からの言葉遊びでできたような企画ですが(最初はオータメーションとか言ってた)、私はとても楽しみです。
プログラムで作ったものは、入力を受け付けない限り基本的にプログラムした時点で全て結果は決定されているの(が原則)で、そういう意味では「時間」が無い。時間を生み出すのはあくまで計算機。もちろん聴くことによって時間は生まれるのだけれど、作る側、プログラムする側の仕事はスイッチを押した時点で全て終わっている(ああ、プログラムを止める仕事もあった)。また、プログラムは音を時系列的に並べるのではなくて、音を鳴らすための論理を組み立てるだけで、通常の意味での楽譜は存在しない。そういう意味では普通の意味での「音楽」とは作り方がかなり違う。ちょっと大仰にいえば、そんな「無時間」的な音を図形楽譜解読という「相対時間」的な音と対置させてみようという企画です。その話が出た時、ならばエレクトロニクスでも基本的には同じはず、と声をかけたのがその場にいた鈴木學 師匠であります。automation、よろしくお願いします。

日記

2/16
ビザ申請。広尾は怖い。何が怖いって、犬がでかい。
銀座にてゴダール『さらば、愛の言葉よ Adieu au Langage』を見て半ばニヤけながら実家に帰り、F女史と再会しビール200円を痛飲。

2/18
朝から高速バスで富山に行き、印刷立会い。富山は意外と寒くなく、途中の郡上とか五箇山のほうが大変なことになっていた(そりゃそうか)。T課長と二人で「世界で最も美しいスタバ」に行き、夜景を見た思い出プライスレス。

2/19
ます寿司ぶら下げながら富山より帰還。親父が酔っ払って『タカダワタル的』のDVDを流し始め、歌いながら寝る。

2/20
ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー Foxcatcher』。『カポーティ』と同様、ひたすら静かで暗く、結局のところ、なぜ殺したのかは明示されない。キャメラはドキュメンタリーのように、なかなか懐に入ろうとはせず、引き気味で、田園地帯で捩れ始める静かな狂気を捉えつづける。映画において人間の行動に説明可能な「理由」があるとは限らない、という立場を貫くことを美徳と見るか、甘さと見るか。次の日見るイーストウッドならどう撮るか、考えながら見た。

2/21
朝一でイーストウッド『アメリカン・スナイパー American Sniper』へ。二日連続嫁役のシエナ・ミラーを見ることになったが、見てる最中は全く同一人物とは気づかず。もう一度見ようと思っているのでここでは書かない。
夜は弟夫婦の家で義妹の誕生日プレゼントを食べる会。いつも通り、終始馬鹿話。

WordPressからのXMLエクスポート

WordPressのデータベースが膨大になり、エクスポートされたXMLファイルが途中で途切れてしまい、しばらくハマったのでメモ。

wp-config.phpに以下を追加。
ini_set(“max_execution_time”, 60);

functions.phpに以下を追加。
function my_export_wp() {
ini_set(‘memory_limit’, ‘1024M’);
}
add_action(‘export_wp’, ‘my_export_wp’);

41