土地の塩

『山猫』修復版のプリント上映。ありえない上映ミスに、嗚呼フランスだけでなく日本もか、と嘆息を漏らす。おまけに最初からかけ直さないときている。観客のマナーも耐えられないぐらい悪くなっているし、そろそろ映画館に行く勇気がなくなりそう。
舞踏会に集う品のない若者を見ながら「猿のようではないか」と目眩を覚えつつも、アラン・ドロンとクラウディア・カルディナーレのカップルが湛えている「若い」という美しさに希望を託し、自らは山猫として死ぬことを選ぶバート・ランカスターの側に、いつしか自分は立ってしまった。あと20年経ったら号泣してしまうかもしれない。