10/19-23 ギメ、アール・エ・メチエ、植物園

10/19(月)
昼からミュゼ・ギメ(Musée national des arts asiatiques Guimet)へ。ギメの集めたコレクションで、戦利品ではなく、戦火からの保護などを求めて売られたものが多いという。確かに器、日中韓の絵画(主に水墨画)などアジアですら見られない特別なコレクションで、なぜ日本にも、中国にも、(韓国に行ったことはないが)こうした比較文化的な並べ方でアジア各国の美術を見せる空間がほとんどないのかと思わされる。我々の文化は思ったより似ているし影響し合っているにもかかわらずだ。東京なら東博の東洋館と根津ぐらいか。その名前を並べても欠けている確かな部分がある。
しかし、玄関正面のホールに展示されている東南アジアの仏像がこうしたフランス式の邸宅の中で、本来あるべき寺院建築から一部だけ切り離されて展示されていることにどうしても違和感を覚えるというか、寂しく思えてしまう。まだ日本の仏像ならもう少しムーバブルに出来ているので建築から切り離されて展示されても良いかもしれないが、しかし例えば中国の寺院ですら、むせ返るほどの線香の匂いと絢爛たる他の装飾に囲まれ、あるいは音楽にすら囲まれた空間として体験されるものなのに、ましてや完全に建築の一部になっている東南アジアの寺院なら尚更だろう。本来の空間から切り離されて、網膜的に鑑賞するだけではほとんど何もわからないのではないか。造形云々以前に、「美術」という概念が違いすぎる。美術館というものの限界を考えさせられた。いや、コレクションはとても良いのだが。
晩飯は日清の袋焼きそば。夜食ににゅうめん。揖保の糸、最高。Iシイさんありがとう。自腹では買えません。

10/20(火)
昼、フラ語。昨日感じた違和感を話す。
クリュニーでは寂しさは感じないが、ギメでは感じる。クリュニーはまず建物が本物のゴシック建築で、邸宅のギメとは環境が違うこと。また、そもそも東南アジアとヨーロッパでは偶像の扱われ方が違う。そんなことを話し、同意を得たが、ヨーロッパ人がどう感じるのかはいまいちわからなかった。
帰って仕事して App Store に投げる。iOS 9、変わりすぎ。
終わって夜中まで調べ物。

10/21(水)
夜遅かったせいか疲れが溜まっているからか起き上がれず、遅めの朝食を食べてからまた夕方近くまで寝てしまった。先に行った妻を追いかけてミュゼ・デ・ザール・エ・メチエ(Musée des Arts et Métiers)へ。1年半ぶり3回目となる訪問だが、見るたびに発想をくれるところだ。さながらアイデアの宮殿である。こちらも少しフランス語を読むのにストレスを感じなくなってきたので、主要なキャプションは読めたし、建設技術の変化を説明するモデルのところではどこの建築のことを指しているのかが身をもって理解できた。
再び夜中まで調べ物。

10/22(木)
昼、フラ語。
昼過ぎから読書と調べ物。なんだかフランスにいるのに日本語の本を読んでると(しかも家にこもって)勿体ない気がしてくるが、手っ取り早い副読本としては至便。フランス語の本をすらすらと読めるようになるにはもう少し(まだかなり?)時間がかかるなあ。しかしフランス語の日本語訳で「アンピール様式」だとか「パスイオン」とか書かれても原語が想像できない。原語を併記してくれないと。

10/23(金)
昼から植物園へ行き、庭園と蟹の展示、それに植物学のギャラリーを見る。植物学のギャラリーは植物標本がずらっと入った棚が並ぶ壮観なビブリオテークがあった。入ってみたい。