10/7 ヴィジェ=ル・ブラン、アルベール・カーン、オートゥイユ温室

今日は気合を入れて出かける日。
朝からパリ・ノートルダム大聖堂。入るのは何年かぶりな気がする。年代ごとに建築プロセスを解説する展示パネルを読んでいたら「ちょっとすみません」と言われ、欧米人のおじさんが我々ふたりの間に割り入ってきてカメラでバナーの写真を撮って去っていった。おい、バナーを撮影するのはいいが、読んでいる人をどかしてまで撮るのはおかしいだろ。
そのままオテル・デュー(Hôtel-Dieu)。パリ最古の歴史がある公立病院だが、建築は19世紀とのこと。病院のことを「神の家」なんて言うのは独特だ。
その後、グラン・パレに行き、ヴィジェ=ル・ブラン展(Élisabeth Louise Vigée Le Brun)を見る。マリー・アントワネットの肖像を描いたことで知られる、フランスで最も有名な女性画家の一人。女性だからとは言いたくないが、それでもそう言わざるを得ないような繊細な服飾の描写、やわらかい表情の表出。妻は『ベルばら』にたった数ページ出てきた彼女のことを覚えていて、なんだか満足げだった。私は彼女がユベール・ロベールの肖像を描いていて、仲が良かったということに少し興奮した。それにしても混んでいた。
中華を食べた後、ミュゼ・アルベール・カーン(Musée Albert-Kahn)へ。彼はスイスのリートベルグ美術館で見たオートクローム写真の展覧会の中心人物。銀行家であり平和主義者。そこでここの存在を知ったので来てみたのだが、展示はイマイチ良くなかった。しかしオトレ関係で個人的に驚きの発見があり、腰を抜かす。で、このミュゼはもうひとつ日本庭園が有名で、彼が生存中に作ったそうなのだが(徳川家の末裔や日本の財界と関係もあったそう)、これがちょっと微笑ましいというか、惜しいところまで来てるけど何か根本的に違うというか。しかし外の人から見ると日本はこう見えるのか、という点で逆に興味深し。子供を連れた引率の先生が「これが本当の日本庭園だよ」と言っていて、心の中で「おい」と呟く。
もう夕方だったがそのまま少し歩いて、オートゥイユ温室(Serres d’Auteuil)へ。初夏以来久しぶりに来たが、紅葉してとても綺麗だった。人もいないしここの公園はとても良い。野ウサギを見かける。