8/25 バーゼル大聖堂、文化博物館、印刷博物館

朝、i でバーゼルのシティパス(対象施設の入場料が半額)を買う。この手のパスは買ったはいいが段々時間に追われるのが嫌になり、とにかく見たいものを見る方針に変えてしまうのが私の常だが、物価の高いスイスでそうは言っていられない。特に対象施設の一つであるクンストハレ(Kunsthalle)が工事中なので、よく考えたら沢山見ないと元が取れない。

まずはバーゼル大聖堂(Basler Münster。これは無料)。ロマネスクを思わせるような簡素なゴシック聖堂だが、赤い岩でできていて、これは地域特有の材質なのだろうか。地震で倒壊したため現在のものは再建とのこと。次に行ってみた文化博物館(Museum der Kurtulen)はとても変な博物館で、阿片をテーマとした博物品と現代美術のごちゃ混ぜの展示がやっていたが、なぜ今スイスで阿片なのか最後まで理解できなかった。他にクンストハレから避難しているクラナッハ、ホルバインなどが一部屋に押し込められている。部分的には面白いが全体的には雑。ポップなのかもしれないが。

バーゼルに寄った主たる目的の一つである印刷博物館(Basler Papiermühle)はさながら印刷ディズニーランドで、紙を手漉きをしているおじさん、水車の動力で紙の原料となる生地を砕き続けている機械、活字を母型から作り続けている職人のおじさんなどを見続けることが出来るし、体験もさせてもらえる。展示はまさにライティングスペースの歴史を文字(記号)、印刷、造本の各視点から辿ることができる。またここバーゼル特有の展示もあり、ウォーターマークの入れ方、19世紀まで主流だった古布や古縄からの製紙、主力製品の一つだったトランプ、さすがご当地のヘルベチカの紹介など、規模は小さいものの概論を抑えつつスペシャルな各論を突いてくる良い構成の博物館だった。誰かさんは大量に資料を買った模様。

ディズニーランドで時間を使ってしまったのでもう夕方。今日は美術館巡りは終わりにし、パスで無料の渡し舟に意味もなく乗って、ティンゲリー美術館まで散歩。ボッタ建築の外観だけ見て帰る。