7/27-8/1 妻の到着とルイ・カレ邸

7/27
仕事。

7/28
仕事、買い物など。

7/29
妻到着のため朝からマルシェ、掃除、買い物などに奔走し、夕方CDG空港に向かう。人災的に乗り換えが酷いシャトレ=レ・アル駅ではなく比較的至便で途中ノートルダムを通ることのできるサン・ミシェル=ノートルダムの駅が工事で封鎖されており、足を伸ばしてクリュニーまで歩く羽目に。手荷物受取場が見える位置で待つが20時頃、無事に再会。ノートルダムなど紹介しながら帰宅。それにしてもフランスの建築の中で空港はかなり出来の良いところな気がする。全体像がつかめないのでデザインについてはおぼろげだが、機械がまともに動いているだけで少し感動する。

7/30
妻に近所の紹介がてらマレ地区〜レ・アル近辺を散策。夕方、歯医者。セラミックのクラウンの値段に愕然とする。チョコチップアイスさえ食べなければ……。もう笑うしかない。

7/31
午前中、K原さんと打ち合わせ。連絡手段もないため妻も連れて行って紹介する。ランチで一緒に行ったビストロで食べたRouget(ヒメジ)の焼いたのが美味しかった。帰りがけ、近くのパサージュ・ヴェルドー(Passage Verdeau)に連れて行ってもらう。ここは通りを挟んでパサージュ・ジュフロワ(Passage Jouffroy)、パサージュ・デ・パノラマ(Passage des Panoramas)とつながっていて、非常に長い連続した通りになっている。ジュール・ヴェルヌなど並ぶ古めかしい本屋のショーウィンドウを何気なく見ていたらエリゼ・ルクリュの『新世界地理 Nouvelle Géographie universelle』が並んでいる!オトレやゲデスとも直接/間接的に関係のあった人で、この人も19世紀後半の大偉人といった印象なのだが、生憎そこまでなかなか手が回らず掘り下げられなかったためまとまったモノグラフを読んでみたいところだった。そういえばこういうものもBnFで見られるのだよなあ。自分の想像力が貧困。
その後ギャルリー・コルベールにてInsel Verlagの本を買う。

8/1
午前中、マルシェ。午後、妻が来た時のために取っておいたアアルト(アールト?アァルト?どれが一般的なのか)設計のルイ・カレ邸(Maison Louis Carré)を予約していたため向かう。ここはパリではなくイル・ド・フランスにあり、土日しか訪問することができない上、最寄駅から1日数本しかないバスで行くか(しかも日曜は全面運休)、タクシーで行くしかない。しかし最寄駅まで向かう肝心のRER(近郊鉄道)C線が毎年恒例、夏季大工事の「カストール計画(Castor=ビーバー)」のためパリ市内で一ヶ月規模の運休。メトロでJavel駅まで行ってそこからRERに乗り換えるしかない。マスコットキャラクターのビーバーの可愛さでごまかそうとしてるが、毎年そんなに工事しなきゃいけないこと自体おかしくないかと思いつつ、少し時間の余裕を持って向かう。
Javelに着いたはいいが、RERの本数も減らされているため乗れた電車が乗り継ぎバスの発車時間5分前に着くとのこと。しかしまあ5分あればなんとかなるだろうと心を落ち着けながらRERに揺られる。30分ほどすると時間通り最寄駅の Saint-Quentin-en-Yvelines 駅に着く。さてバス停はどこだと探すが、該当するバスの発車ホームが地図に記載されてない!とりあえず外に出てみるがまったくわからない!戻ってみるがやっぱり地図にない!嗚呼、フランス、さもありなんと思ってバスに乗ることを諦めてタクシーを探す。
タクシー乗り場に着くが(想像通り)タクシーは一台もいない。乗り場の構造物にアナーキーに貼り付けられていたタクシー会社のシールの番号に電話してみるが、もともと聞き取れないフランス語が電波が悪すぎて全く何言っているかわからない(こちらのタクシーはスマホと車内マイク?が連動していて、運転しながら顧客と電話する仕組みになっているのだが、携帯の電波によってノイズがひどかったりする。果たして携帯電波を使うことがいいのかどうか)。とりあえず駅にいてルイ・カレ邸に行きたいんだという主張だけして切る。20分待ってと言われたような気がするが確信なし。
大通りらしき方に出てみて流しのタクシーを探すが15分経ってもものの1台も通らない。諦めかけて駅の方に戻ると、なんとタクシーらしきものが止まっている。話してみるとOKとのことで、ようやくルイ・カレ邸に向かうことができた。
先日納品で行った時のようにど田舎を疾走するタクシー。「お前らバカンスで来たのか」と言われたが、ここはその目的で来る人が多いらしい。途中、「ジャン・モネ邸」と書いてある看板の前を通ったので「ジャン・モネって誰?」って聞いたら「画家だ」と言われた。絶対違うと思いつつタクシーに揺られるとルイ・カレ邸に着いた。
10分近く遅刻していたため、既にツアーは始まっており、かなり駆け足のガイドで「はい次の部屋、はい次の部屋」という感じであっという間に終わってしまった。その後は個人的に見て回ること叶わず。気も焦っていたので味わえなかった。プレイリー・スタイルのような長い庇、モダニスティックな水平屋根から脱却するような斜めの屋根に湾曲した天井、収納/開閉可能なブラインドや回転する鏡。
せっかく来たので周りに何かないかと思ったら目の前にさっきの「ジャン・モネ邸」が。なんだか宮崎某が好きそうな欧風茅葺屋根の家で、外観のシンプルな印象とは裏腹に中はかなり何がしたいのかよくわからないごった煮インテリア。で、「画家だ」と言われたジャン・モネさんは欧州統合の父と呼ばれる著名な政治家だったそう。帰りのタクシー(同じ運ちゃん)で「画家じゃなかったよ!」と言ったら「あ、画家はクロードか。ジャンもクロードも一緒だよ!」と言われた。っていうかあんた地元のタクシーじゃないのかい。
意外にも早く帰ることになったが、Javelのメトロが大混雑して駅に入れないぐらいだったので(ヴェルサイユからの客がみんなJavelで降ろされるため)貸自転車を借りて帰ることに。サスペンションが悪すぎて走りづらい。色々こだわりがあってうるさいと言われる私だが唯一自転車はなんだっていいのだけれど、さすがにこれで石畳はつらかった。