5/25-28

5/25
妻のビザのためのレターを書いてもらいに秘書課に行くが、閉まっている。戻って調べてみたらLundi de Pentecôte(聖霊降臨祭の翌日の月曜日)で祝日だった。5月、祝日多すぎ。祝日以外も休みすぎ。今更何処かに出かけても無駄なので、おとなしく仕事する。

5/26
シーツ交換後、フラ語。フランスと日本の美術の概念の違い、特にアートとデザインの分化/未分化について話せたが、半分以上わからなかったのでイマイチ焦点を得ず。フランス語には「デザイン」という言葉はあるが、「デザインする」という動詞はない。ひとつの争点となったのは「機能的」という概念だが、こちらはそれを単に経済的、構造的、身体的なものだと思いこみがちだけど、先生は感情的な作用を引き起こすのも「機能」のひとつだ、とのこと。また、工業性についても「じゃあ(イサム・)ノグチのランプはデザインなの?アートなの?」と言われ、それは確かに難しい問題だなあ、と。フランス語を学ぶのは単に言語の問題じゃなくて、概念の違い、思考の違いを経験することだな、と思う。いや、全然しゃべれませんが。
夜は明日寮を去る名古屋のY君との別れを惜しんで飲み会。なんと彼はジェイソン・ステイサムのファンだった!パリでステイサムの話ができるなんて、嬉しいなあ。

5/27
昼からBnF(国立図書館)新館に行って利用者カードを1年パス(60€)に更新し、そのまま地下に入って閉館近くまで作業。最悪なのは直射日光がもろに差し込んできて、暑すぎて作業できないこと。10分ほどで耐えられなくなったのでロの字型平面の対岸の部屋に移動する。駅からアプローチした場合に一番目につく建物にでかでかと「安全のために滑り止めの道を通ってください」ってカッティングシートで貼ってあるのだから、笑えない。

5/28
朝起きたら先日ビシビシに画面にヒビが入ったiPhoneが、遂に操作不能になった。また出費がかさむのかと思うと凹む。
フラ語。写真家の友人Aが先日ダンサーを撮影したこと、アメリカの友人Eが見たというBnFのアジェの写真、私が行ったBnF新館の建築、パラジャーノフなどについて話す。しかし何でも知ってるこの先生は一体何者なのか。
昼、ニースから帰ってきた韓国の友人が、オルリーからのタクシーで携帯を失くしたとのことで、てんてこまい。こちらもAndroidには明るくなく、写真だけは吸い上げられたのだけど連絡先はGmailに同期していなかったようで、落し物で出てこなかった場合は無理そうだ。
夜は友人HMの展覧会のオープニングを見にÉcole des Arts Décoratifsへ。先日見せてもらった作業中のテキスタイルは、フランスの女性数学者・物理学者でプリンキピア・マテマティカを仏語訳したことでも知られるエミリー・ル・トネリエ・ド・ブルトゥイユ(Émilie Le Tonnelier de Breteuil)の火についてのテクストを、テキスタイルパターンに変換(翻訳)したものだった。そのほかにも彼女は書物としてのテクストを縦糸と横糸に分断して編みなおしたり、とても面白い仕事をやっていた。編むという行為が書物に通ずるものがあって、私にとっても印象的な展示だった。こういう出会いがあるのは素晴らしい。
その後チベット料理屋でカレーを食べて(カレー欠乏症だったので)、カルチェ・ラタンにてドン・シーゲルの『殺人者たち À Bout Portant / The Killers』(2Kデジタル修復版)を見る。先日のシオドマク版『殺人者』と比較して、ドン・シーゲルが翻案した箇所がよくわかり、また撮り方の特徴もよくわかる作品だった。良いプログラミングだ。

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ヨーロッパの山崩しゲーム「MIKADO」。意外と白熱する。