4/16 大聖堂、孤児院

昨日遅くまでSkypeしていたのと、今朝仕事をひとつ送らなければならなかったので出遅れ。昨日と同じパン屋で同じ物を食べ、昨日10分差ではじかれた大聖堂「Onze-Lieve-Vrouwekathedraal」へ向かう(読めないし訳せない)。尖塔は123mもあるそうで、いささか唐突な赴きがある。ステンドグラスや天井にはたくさんの紋章が埋め込まれているのが地方独特のものだろうか。デザイナーのはしくれとしてはそれらの意匠を見ているだけで楽しくなるような代物だ。地面には内容はよくわからないが文字が各所に刻まれていて(多分死んだ王様か教皇か何かの悼辞)、その文字を見ているだけでこれまた楽しい。スモールキャップスやオールドスタイル数字、合字やスワッシュの意匠は言うまでもなく、月を「8BER」「9BER」「XBER」なんて略したりしているのは初めて見た。ここはかの『フランダースの犬』のネロが最後にルーベンスの画を見に来て死ぬところだそうで、特に思い入れもないからいいのだけれど、当該のルーベンスの『聖母被昇天』は工事中エリアで見られず。しかし特に『フラ犬』(略してみた)をフィーチャーしているようにも見えず、多分あれをありがたがってるのは日本人だけ何じゃなかろうか。お土産屋に日本語で「パトラッシュはネロのたった一人の友達でした……」て書いたポスターがあったし、観光客も日本人が多かった。犬はさておきカテドラルとしてはかなり立派。
次に何を見ようかと思ったが目の前の市庁舎は日曜しか入れないとのことで、「1つだけミュージアムに行くならここ」と書いてある「MAS/Museum aan de Stroom」に行くことにする。MASへの道を適当に歩いていたら、なんだかがらんとしたガラスのショーウィンドウが並ぶ通りに出たのだけれど、やたら生々しいマネキンがいるなと思ったら人間だった。ふと見渡せば下着姿の女性だらけで、いつの間にか所謂ひとつの「飾り窓」に入り込んでいたらしく、アムステルダムのそれに比べたらやたら粗末な建物なのだけれど、とにかく目のやり場に困った。でも向こうが見せようとしているのだからいいか、と思って見てみたが、言っちゃ悪いがあんまり良いものでもなかった。何でこんな観光客が普通に通るところにあるのか不思議だが、港街に娼街ありということなのだろうか。真っ昼間からご苦労さんです。
MASはこの辺では珍しいあからさまな現代建築で、中で何の展示しているのかもよくわからず行ったが、アントワープの海港としての機能や街の歴史を展示しているのと、世界各国の「死と生」「権力の表象」をコレクションから展示しているのと4フロアに分かれていて、後者2つはなんでここで展示しているのかよくわからなかったけど、突然エジプトのミイラや江戸時代の死体の画(Morishigeって誰。ごめん。)なんかもあって時々驚く。この旅行は企画展の入れ替え時期になってることが多く、企画展フロアは閉鎖されていた。屋上からはアントワープの街が一望できる。
その後旧女子孤児院の博物館に向かうが、途中で寒いのと乾燥が酷くて体に寒冷蕁麻疹のようなものが出続けているので(これが結構ひどい)、保湿用の油を買おうと薬局に行くが、「今注文すれば明日の朝届く」というので注文することにする。ホテルはお願いだから加湿してほしい。
明日は移動する予定だがまだ行き先決まらず、週末はOさむさんと遂に合流するはずだがどこで合流することやら。

Exif_JPEG_PICTURE
孤児院の展示はこじいんまりしててなかなか良かった(いやほんとに)。