2日目: Arts et Metiers

さすがに1ヶ月間旅日記を書くのもしんどいし、もう私も若くないので「ヨーロッパ最高!」とかそういう気分ではないのだけれど(どちらかというと悪いとこばかり見えるのね、年だから)、とりあえずフランス国立工芸博物館(と訳すのはいかがなものか)で久しぶりに「ヨーロッパ最高!」となったのでここに記しておく。工芸、と言ってもそれは科学技術(ArtsとMétiers)の博物館で、観測・測量から印刷・電信・計算・記録、果ては製鉄工場やダム、掘削機の設計にいたるまで、道具や機械、建築等々の技術発達が如何にルネッサンスや産業革命を実現したか、ということを、実物を以て知ることができる(ここ大事)という素晴らしい学習環境であった。というか、実物の凄さが全て物語っているわけですよ。ハンティントン・ライブラリーの貴重書展示を見たと気も思ったけれども、いくら教科書で「天体望遠鏡の発展が云々」とか「機械の発展が産業革命を云々」とか言っても全く実感湧かないし(事実日本は一週遅れから一気に近代化したわけだから途中の機械が残ってたりしないんだろうが)、こういう展示を見ている国民には絶対勝てないと思わされる。これは別に表象の話だけじゃなくて自然史博物館でもなんでも、これ小中学生のとき見てたら絶対人生変わるでしょ、という圧倒的な違い。グローバル化とかなんとか言ってるけど、ここまで物が違うとは。日本もがんばってるんだろうけど、この差はどうしたものか。
しかしコンピューターのブースになった途端にデジカメの電池が切れる始末。1週間撮り続けてもへたらなかった私のデジカメが……。電池自体がへばってないか、この先不安。なので写真はまた撮りに行こうと思う。

昼: アンファン・ルージュの市場で友人お薦めのクスクス。クスクスってこんなにいっぱい入ってるもんなのか!日本の詐欺!

その後、ポンピドゥーまで行ってみたら定休日で、しょうがないのでノートルダムを見る。よく見るとセンターの柱間に並んでいるのが9人で、左が8人で、右が7人と、シンメトリじゃない。ザグラダ・ファミリアにも通じるような彫刻の豊富さ・緻密さ。

アラブ文化研究所:
まさかあの窓の模様が動くとは。

歩いていたらムサビのパリ賞の寮である、してあんてるなしょなるでざーるがあった。ばざーるでござーる。周りには手製本のノートや手作りの封筒などを無茶苦茶高い値段で売る店があったり(ノート1冊7千円でござい)、地方の手工芸品を売る店があったり、確かに芸術の匂いがするエリアですな。手工芸を大事にすることはこの国の弱点でもあり美点でもあると思います。さへりを輸出したい。

夜: マレ地区のファラフェルの店でファラフェル。「世界一のファラフェル」と書いた店が長期休業でがっかりしたら、その数十メートル先に「この通りで一番のファラフェル」と書いた店がやっていた。そして並んでいるのはその向かいの店、という全く謎な構造。そもそも母国をさておいて「世界一」とはなんたることか。いや、でもまじでうまかったです。しかしこれでも800円近いんだよなあ。全部、あべのせいだ。

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