博物図譜とデジタル・アーカイブ

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6月21日より、武蔵野美術大学の新しくなった図書館のギャラリーにて、「博物図譜とデジタル・アーカイブ」展が始まります。これは武蔵美図書館が従来より集めていた貴重書に加え、このたび新たに収蔵することになった荒俣宏さんの旧蔵博物学書コレクションを、シリーズ展覧会として公開していこうという企画です。18世紀〜19世紀前後の解剖学書、探検記、動植物学書などの実物がその目で見られる貴重な機会であると同時に、なんと全ページを日本に1台とか2台しかないというスキャナで高解像度スキャンにかけ、それを大型タッチパネル・ディスプレイを使ったデジタル・アーカイブで閲覧できてしまう、という鼻血ものの企画です。実際、企画している我々が毎回思わず仕事を忘れて見入ってしまうほど美麗で精緻な図譜は、絵やイラストレーションに興味がある人はもちろん、版画や造本、そしてそれぞれの内容を専門とする人にも大いに刺激どころか反省を与えてくれます。
僕もデジタル・アーカイブのデザインで参加しています。画像は大きいもので1枚200MB程度もあり、それを42型のディスプレイ(もっとでかくても良かったのですが、このぐらいが触りやすいラインかな、と)で見ると、肉眼では見えないような細部の描写や、版画家の苦労の跡(笑)が明らかになって、ある意味、本物を肉眼やルーペで見るのとは違う視覚体験に遭遇します。デジタル・アーカイブにかぶりつきで模写とかしだす学生さんが出て来たら面白いなぁとは思っていますが(多分画材は持ち込み禁止です・笑)、ひょっとしたら美術教育が変わるかも??なんていう代物ですので、興味のある方はぜひ鷹の台までお出かけくださいませ(ちなみに日曜・祝日はお休みですのでお気をつけ下さい)。
展覧会は会期ごとに展示替え致しますので、毎回展示される本が変わります。デジタル・アーカイブはコンテンツだけでなくその機能もどんどん増えて行く予定なので、遠いところ誠に恐縮ですが、毎回お越しいただくと良いかと思います(笑)。どれも捨て難い美麗図譜の中からまさに断腸の思いで抜粋された図録も、コンプリート必須ですよ。

一応言っときますが、展示室は小さいです。過剰な期待をなさらぬよう......。

でも、10年代に猛省を促すこと必至!

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↑谷田さんデザインの素敵なタコちゃんポスター。


武蔵野美術大学 美術館・図書館新棟落成記念
博物図譜とデジタルアーカイブ I

     
会 期 2010年06月21日(月) ー08月07日(土)
休館日 日曜日・祝日
時 間 10時00分--18時00分
     [土曜日は17時00分まで]
入館料 無料
会 場 武蔵野美術大学 図書館新棟展示室
住 所 〒187-8505 東京都小平市小川町1-736

主 催 武蔵野美術大学 美術館・図書館
共 催 武蔵野美術大学 造形研究センター

開催概要

博物学の時代--ひとは世界をどのように見、記述して来たか

18世紀以降ヨーロッパを中心として、それまでの美術史には収まりきれない文脈の膨大な図像が制作されるようになります。それらは当時新しく登場した博物学を中心とした動・植物図譜、航海記、地図、民俗学的図譜、解剖図譜などであり、多色銅版やリトグラフなど当時の最先端の印刷技術を駆使した書物として出版されました。武蔵野美術大学図書館では旧蔵の貴重書に荒俣宏氏旧蔵コレクション[*1]を加えることで、今日的な視点から18世紀以降の博物図譜を軸とする視覚資料を概観することが可能となりました。今回はそれらを公開するとともに、図版全ページを高解像度スキャニングしデジタルアーカイブ化を実施、本展のために開発したタッチパネル式高精細画像閲覧システムによって通常直接手に触れることができない資料を全ページ、細部にわたって閲覧できる環境を提供します。また今後それをもとに恒常的に閲覧できるデータベースを構築することで、本学の研究基盤を成す図像学の観点から美術系・デザイン系の領域を超えた全学生にとって芸術的な視野を広げるだけでなく、新たな創作意欲や研究心の向上に資することを目指しています。また、新美術館・図書館に設置された造形研究センター[*2]を中心として、内外研究者のさらなる研究発展への貢献も期待できるでしょう。なお、本企画に関連した研究は今後も継続され、複数回の展覧会を通してその成果を公開する予定です。

[*1]荒俣宏氏旧蔵コレクション:当館はこれまで美術・デザイン資料の充実を目指して多数の博物図譜を収集してきました。それら体系的な構築強化のために2006年度から2009年度にかけて文部科学省経常経費研究設備特別補助の採択を得たことにより荒俣宏氏旧蔵のコレクションを収蔵する事が可能となりました。
[*2]造形研究センター:造形研究センターは「2009年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業プログラム」の選定採択を受けて全学的な研究がスタートしました。新棟落成記念に併せて開催する本展は、美術館・図書館と造形研究センター近代デザイン研究プロジェクトチームの共催によって当館が所蔵する貴重書コレクションのデジタル化を推進し、その研究成果を広く公開することを目的として企画されました。


http://musabi.ac.jp/library/

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