ぽつねん

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駅へ向かう途中、公園の桜が8分咲きぐらいだった。花を見ながら酒を飲むなんて野暮ではないだろうか。あれは酒を飲んでいるときに花に包囲されている感覚を覚えているだけで、結局飲み始めたら花なんて見ていない。主従逆転である。そういえば子供の頃は花見なんて退屈でしょうがなかった。いつからこんな堕落した大人になってしまったのだろうか。

論文の加筆修正に追われているが、あらかじめ批判的に書くはずだった対象を、できるだけ肯定的に書こうと思っているうちに肯定とも否定ともとれないような場所へと行ってしまって、どうしたらいいかわからなくなることが多々ある。当初の印象と実態の齟齬を書くのが論文だとするなら、途中で齟齬が消滅してしまったらどうすればいいのか?是非の判断を越えたところでどう振る舞えば良いのか?「わたしは間違いでした」とでも書くべきなのか?論文自体も判断を越えたところで書き進めるべきなのか?全くわからない。

今日から新年度らしく、新しく職場に就く人が多々いる中、何も変わらない私。桜の咲きっぷりと対照的で、ひたすら眩しすぎる。スーパーには筍と菜の花、インゲンやたらの芽、ふきのとうなどが並んでいる。私も旬を感じようと菜の花を買い、パスタに入れてみたが、ニンニクとトマトの味が強すぎて春はどこかへ消えてしまった。2010年、宙吊りの春。この文章もどこへ行くとは知らぬまま、適当なところで終わる。

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