見えてしまうことに抗って

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研究室はこぞって伊豆の勝井先生の展覧会に行っているはずだが、私は自宅で木本先生のトークを中継で聴く。へなちょこの私なんぞがコメントすること自体がおこがましいが、へなちょこが見ても「イマジナリー・ナンバーズ」から今回の新作へはそれはもう相当なステップ&ジャンプがあったことが想像でき、全く違うレベルのものであろう。「複雑系」という、捉え方によっては至極空虚になる概念の面白さが初めて体で理解できた。シミュレーションとは、やはり単純な個の動きが全体を形成する時に、思いもかけない相貌を見せる時にのみ面白いと思えるのだろう。しかも、彼女の場合、こんなこと起きてしまっていいの?という本人も手に負えないようなキマイラ的なものも数多くできてしまっているという。トークでは、「見えてしまうこと」の脆弱さを語っておられ、我々は間違いなく運動を「視て」はいるが、実はそれに満足してしまっていて、個々のダイナミクスや運動のシステムのようなものは実際には見えていない。私はそれを「視」たかったのだということをおっしゃられていた。また、終盤に言われていた「どんなことがあっても個の自由な運動は妨げてはいけない。」という言葉に胸を打たれた。どうして彼女にこんな執念と力量があって続けてこられたのか全く理解できないが(研究室では沢田研二や蒼井優の話題で盛り上がったりしてるし、基本的に話はブッとんでるし)、いわゆるメディアアート系でダントツすげえのは間違いないと思う。比べるわけではないが、個人的にはジョン前田氏の本を最初に読んだ時かそれ以上の衝撃だった。勉強します、ハイ。

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